チェルフィッチュ『地面と床』

 チェルフィッチュが仙台まで来てくれるとは、観にいかずばなるまい。
 ということで、観にいってきました。


 チェルフィッチュ公演『地面と床』
 3月29日 仙台市宮城野区文化センター


 感動するところまでは行かなかったけど、味わい深い舞台だった。
 チェルフィッチュはテレビで観ただけだったけど、あの役者の奇妙な動きは、テレビだと尖った表現に見えるけれど、舞台で生で見ると意外となじんで見えてしまうと思った。

 ストーリーで引きつける種類の舞台ではない。舞台の上で何か事件が起こるのではなく、舞台の上に何者かが現れる。
 かつてクローデルが「劇、それは何事かの到来であり、能、 それは何者かの到来である」 等と言ったらしいけれど、このチェルフィッチュの舞台もそういう意味で能みたいだった。
 
 役者の抑揚のないしゃべり方も、能を思わせる。変に感情を込めた、抑揚のあるセリフ回しなんて、嘘くさい。そんな風に思えてくる。

 また行くかと言われると、行くと思う。