NHK交響楽団定期演奏会
ふと時間ができて、東京まで行ってN響のコンサートを聴いてくる。
さすがN響はうまいなあ。
でも前半は少し眠くて、演奏の良しあしはあまり良く分からなかったが、後半の「ライン」は素晴らしかった。
第4楽章のフーガの気合いの入りよう、第5楽章の朗々とした響き。
今までのCDなどのジンマンの印象とは随分違う。やっぱり生を聴かないといけないということか。
わざわざ遠くから行った価値のあるコンサートだった。
NHK交響楽団
第1848回 定期公演 Aプログラムシューマン/「マンフレッド」序曲
シューマン/ピアノ協奏曲 イ短調 作品54
シューマン/交響曲 第3番 変ホ長調 作品97「ライン」指揮:デーヴィッド・ジンマン
ピアノ:レイフ・オヴェ・アンスネス11月19日 NHKホール
アファナシエフのコンサート
アファナシエフが宮城県(それも仙台ではなく中新田)まで来てピアノを弾いてくれるということで、聴きに行きました。
いや、強烈な演奏でした。まるで何かにケンカを売っているよう。聴いていると、強烈なパンチを受けているような気がしてくる。(全部褒め言葉です。)
強いタッチ、音色にも決然とした意志と主張を感じる。
プログラムに載っている本人のエッセイにも、「ベートーヴェンの仇を打つ、という衝動を抑えられる人がいるでしょうか?」と書いてあって、そうか、この人はベートーヴェンの仇を討つつもりでこういう演奏をしているんだと思いました。
アンコールはショパン(多分マズルカ45番OP67-4かな?)。ベートーヴェンとは違って、ショパンの音楽は内向的なので、ベートーヴェンの時の攻撃性は影をひそめていましたが、その分、心揺さぶられる演奏でした。
ちなみにチケットは3500円。前日の東京のコンサートは11000円なので、破格の安さ。これで利益が出るのか心配になりますが、「文化庁文化芸術による地域活性化・国際発信推進事業の補助事業」ということなので、その補助金で収支が合うのかもしれません。
ヴァレリー・アファナシエフ ピアノリサイタル
(2016年10月30日、中新田バッハホール)ベートーヴェン
ピアノソナタ第8番「悲愴」
ピアノソナタ第14番「月光」
ピアノソナタ第23番「熱情」
(アンコール 多分ショパン マズルカ第45番Op67-4)
*プログラムには「悲愴・月光・熱情」のCDのライナーノートから転載されたアファナシエフの文章が掲載されていて、その中に次のような文章があります。これを読むと、僕の感じ方も間違っていないかなという気がしてきます。
(前略)世界中、そして不死に対しても、芸術は抵抗しています。愚かさに対する抗い、本能に振り回されることに対する抗い、愚劣なやから、そしてサクセス・ストーリーに対しても抗っています。ベートーヴェンの仇を打つ、という衝動を抑えられる人がいるでしょうか?
『熱情ソナタ』は<冷酷な楽曲>です。超人的とか人間を超えている、といった表現では十分ではありません。この曲を聴くと、<頭をガツンと打たれた>感じがします。でも、<衝撃は実のところ、もっと強い>のです。
歌劇『ピーター・グライムズ』
ブリテン作曲のオペラ。大分前に録画したのを観た。
このオペラは、多分子どもの時に親に連れられて観にいった覚えがあるけど、内容をほとんど覚えていない。
そしてブリテンは、なんとなく地味な曲が多い印象があり、それほどは期待していなかったのだけど、聴いてみたらなかなかすごい音楽だった。
迫力がすごいところと、なんとも美しいところと。
今まで聴いたブリテンの中では、一番いいかも。(それほど聴いてるわけじゃないけど)
ベンジャミン・ブリテン作曲
歌劇『ピーター・グライムズ』ピーター・グライムズ : アンソニー・ディーン・グリフィ
エレン・オーフォード : パトリシア・ラセット
ボルストロード : アントニー・マイケルズ・ムーア
セドリー夫人 : フェリシティー・パーマー
ネッド・キーン : テディ・タフ・ローズ
スウォロー : ジョン・デル・カルロ
ボブ・ボウルズ : グレッグ・フェダリー
ほ か
合 唱 : メトロポリタン歌劇場合唱団
管弦楽 : メトロポリタン歌劇場管弦楽団
指 揮 : ドナルド・ランニクルズ
演 出 : ジョン・ドイル
ご案内 : ナタリー・デセイ2008年3月15日
ポンピドゥー・センター傑作展
ユジャ・ワンのコンサート
9月5日、ユジャ・ワンのコンサートに行ってきた。仙台市青年文化センター(日立システムズホール)。
当初発表の曲目から変更になっていたが、プログラムには「演奏者の意向により演奏会当日も曲目・曲順を変更させていただくことがございます」との記述。変更する気満々である。
予想通り、最初にアナウンスで「演奏者の強い意向によりプログラムを変更させていただきます」と。「前半はシューマン作曲クライスレリアーナ、ほか。後半はベートーヴェン「ハンマークラヴィーア」」。「ほか」って何ですか、「ほか」って。
多分、曲は本当に演奏直前に決めてるんだろうな。
最終的な曲目は、
1 シューマン クライスレリアーナ
2 ショパン バラード第1番
3 カプースチン 変奏曲作品41
(休憩)
4 ベートーヴェン ピアノソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」(アンコール)
ラフマニノフ 悲歌作品3−1
スクリャービン ピアノソナタ第4番
プロコフィエフ ピアノソナタ第7番より 第3楽章
モーツァルト トルコ行進曲(ヴォロドス/ファジル・サイ編曲)
カプースチン トッカティーナ
となりました。
演奏は、健康的で気が強い感じ。派手な曲が似合います。超絶技巧がすごい。盛り上がります。
ハンマークラヴィーアをこれだけ面白く聴けるのも珍しい。
なんか、すごいものを見た。
何曲かは楽譜を持ってきて、見ながら弾いていたけど、どうも楽譜にしては小さすぎる。遠くの席だったのですぐには気付かなかったけれど、それはタブレットなのでした。タブレットの中に楽譜を入れているのでしょう。タブレットを見ながらコンサートでピアノを弾く人を初めて見ました。
そして、いつものように客席に脚線美を見せつけてもいたのでした。
(追加) こういう演奏スタイルなので、シューマンはあまりピンと来ませんでした。ジャズ風味の強いカプースチンのような曲が一番よく似合う気がします。「ハンマークラヴィーア」も、ゆっくりした楽章はあまり間が持たない気がしました。