ヘレン・シャルフベック展

宮城県美術館に、「ヘレン・シャルフベック―魂のまなざし」展を観にいく。 思ったよりは面白かった。 ポスターに、若い頃の「快復期」という絵を載せているのは、選択ミスじゃないかなあ。いい絵は他にたくさんあるのに。 「赤いりんご」がいいなと思った。…

ツィマーマンのCD

いい演奏なんだけど、地味というか、なんか「グッとこない」感がある。 Great pianists of the 20th century クリスティアン・ツィマーマン(ツィメルマン)CD1 1 ブラームス スケルツォ 作品4 2 ブラームス ピアノ協奏曲第2番(バーンスタイン指揮 ウィー…

『solo』高橋悠治

高橋悠治の弾くバッハのピアノ協奏曲が良かったので、高橋悠治のCDをまた借りた。 それぞれ楽しめるけど、でもバッハが一番面白い。 高橋悠治の「子守唄」は、点描風の音楽。 『solo』高橋悠治1 モーツァルト ロンド K.485 2 戸島美喜夫 鳥の歌 3 シュ…

CD『バッハで始まり、高橋悠治で終わる。』

高橋悠治の弾くバッハが滅法おもしろい。 音がうねって、グルーヴ感がある。 『バッハで始まり、高橋悠治で終わる。』 (曲目) 1 バッハ ピアノ協奏曲第1番 BWV1052 2 ハイドン ピアノ三重奏曲第37番 Hob.XV/23 3 シューベルト ノットゥルノ Op.148 D897…

“ボレロ”大集合コンサート

8月2日、「“ボレロ”大集合コンサート」を聴きに、息子と共に日立システムズホール仙台(青年文化センター)へ。 3歳の息子にとっては、レベルが高すぎたみたい。ボレロの段々盛り上がっていくところで、ぐずって会場の外へ。 あとちょっとだったけど、惜しか…

タン・ドゥン「新マタイ受難曲」

CDを借りて聴く。タン・ドゥン「新マタイ受難曲」。 大陸的なスケールの大きさ。日本人の繊細さとは全く異なる感性。 迫力で迫る。 石だの水だのといった、変わった響きの利用がうまい。 俗っぽさがありながら、卑俗に落ちないバランスがまたうまい。 とは…

「ガウディ×井上雄彦」展

「特別展 ガウディ×井上雄彦 -シンクロする創造の源泉-」を見に、せんだいメディアテークまで行ってきました。 冒頭、井上の(キャンバス?パネル?の形の)マンガで、足の悪い少年が出てきます。その後の展示で、実はそれがガウディだったことが分かります…

「杉戸洋展」

宮城県美術館「杉戸洋展〜天上の下地 prime and foundation」を先日観てきました。 一見すると明るい色彩(パステルカラー)の、ほんわかとした洒脱な絵だけど、よくよく観ると「痛み」が秘められているのが伝わってきます。 予想以上に充実していました。宮…

庄司紗矢香とジャンルカ・カシオーリのコンサート

庄司紗矢香とジャンルカ・カシオーリのコンサートを仙台で聴いた(2015年5月28日、仙台電力ホール)。2010年以来、2回目。 極めて上質な音楽を聴いた。 ただ、2010年に聴いた時はその衝撃に興奮したものだったけど、今回はその時ほどの興奮は無かった。 とは…

ギトリスのコンサート

92歳のギトリスを聴きに多賀城まで行ってきました。 1曲目のモーツァルトのソナタの冒頭ワンフレーズを聴いただけで、涙が出そうになってしまった。 19世紀的、というのもよく分かるし、ホロヴィッツみたい、というのもよく分かる。フレーズを崩して「語る」…

ノルドグレンのCD

ノルドグレンは、知性の人というよりは感情の人か。 比較的よくある現代音楽というか、少なくとも耳にアピールする類ではない。 繰り返し聴きたくなるわけではないかな。 ノルドグレン作曲 『小泉八雲の怪談によるバラード』より 1 耳なし芳一 2 むじな 3…

チェルフィッチュ『地面と床』

チェルフィッチュが仙台まで来てくれるとは、観にいかずばなるまい。 ということで、観にいってきました。 チェルフィッチュ公演『地面と床』 3月29日 仙台市・宮城野区文化センター 感動するところまでは行かなかったけど、味わい深い舞台だった。 チェルフ…

アイヴズのCD

ちゃんとアイヴズを聴いたのは初めて。 交響曲の第1番は、若書きでつまらない。しかし、第4番はすごい。あっちこっちでいろんなことを一度にやっていて、それが一つに集合して、すさまじいことになっている。 第2番と第3番は、それに比べると常識的な範囲だ…

『音楽を愛でるサル』(正高信男)

期待したほど面白くなかった。 本当に専門の(直接著者が実験をした)分野に関してはいいけれど、それ以外のことについては思考がおおざっぱで、著者の知性・教養のなさを感じる。 音楽を愛でるサル - なぜヒトだけが愉しめるのか (中公新書)作者: 正高信男…

ルプーのCD

ルプーのピアノは、悲しみを知る人のやさしさがあふれた演奏。孤独、さびしさといった影をどこかに感じます。 Great pianists of the 20th sentury Radu Lupu1 ベートーヴェン 創作主題による32の変奏曲 WoO80 2 ブラームス 間奏曲集 作品117 第1番〜第3…

「針生一郎と戦後美術」展

終戦直後の絵が、現代のセンスとは全然違うけれども、戦争のトラウマがひしひしと感じられて、この展覧会の中で一番印象深いものだった。麻生三郎、岡本太郎などといった画家たち。 丸木位里・俊の 《原爆の図 幽霊》も観ました。「わが愛憎の画家たち ― 針…

ルプーのシューマン・グリーグのピアノ協奏曲

ルプーのピアノが聴きたくて、こちらのCDも借りる。 派手さはないけど、とても素晴らしいです。プレヴィン指揮のオーケストラも、いい。 シューマン:ピアノ協奏曲 グリーグ:ピアノ協奏曲ピアノ ラドュ・ルプー 指揮 アンドレ・プレヴィン ロンドン交響楽…

CD・ゴールドベルクとルプーのモーツァルト・その2

このデュオが良かったので、続けて借りた。これも素晴らしい。 モーツァルト ヴァイオリン・ソナタ第35番(KV379)、36番(KV380)、40番(KV454)ヴァイオリン シモン・ゴールドベルク ピアノ ラドゥ・ルプー (ポリドール LONDON MOZ1086)

CD・バルトークのピアノ協奏曲全集

ブーレーズの指揮で、オーケストラ・ピアニストとも3曲それぞれの組み合わせ。 1番は聴いたことあったっけ? こういう曲でしたか。2楽章は面白い。打楽器的なピアノで、ゆるやかな行進曲。2番の2楽章は、夜の音楽。3番の2楽章は、美しい対話。 どれも、第2楽…

CD・ゴールドベルクとルプーのモーツァルト

これはモーツァルトの全集の1枚かな? 図書館から借りました。 派手さはないけどいい演奏ですねえ。特にルプーのピアノに聞き惚れます。 モーツァルト ヴァイオリン・ソナタ第41番(KV481)、42番(KV526)、43番(KV547)ヴァイオリン シモン・ゴールドベルク …

『ドミトリーともきんす』

高野文子の新作マンガ。 ドミトリーともきんすは学生寮で、朝永振一郎、牧野富太郎、中谷宇吉郎、湯川秀樹といった名だたる科学者たちが学生として下宿している、という設定。 科学者の読み物を紹介する形になっている構成が、極めて斬新だけれど、そのこと…

リサ・バティアシュヴィリ「時の谺」

図書館から借りたCD。 ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番が、素晴らしい演奏! そして、選曲にバティアシュヴィリの思いがこもっているのが感じられる。 リサ・バティアシュヴィリ「時の谺」(1) ショスタコーヴィチ ヴァイオリン協奏曲第1番 (2…

細川俊夫作品集4

細川俊夫の作品集のCDの4枚目。 引き続き細川俊夫を聴いています。4枚目は2曲。中でも「ヒロシマ・レクイエム」が印象深い。 朗読される「原爆の子」からの子どもの作文がすごい。淡々と父親や母親の死を書いていて、かえって強烈。 細川俊夫作品集 音宇宙…

CD「田中希代子〜東洋の奇跡〜」

田中希代子の演奏のCD。 確かどこかで、三善晃が田中希代子について書いていた。ニースで過ごしたある朝、目覚めに階上から田中希代子がショパンの「3度のエチュード」が弾くのが聴こえてきて、その美しさを「神様に手紙を書いているよう」と表現していた…

国家の「暴力」の起源

朝日新聞の「be」の記事「(NIPPON 映画の旅人)やんちゃな勝新の魅力が投影された『兵隊やくざ』」より。 軍隊とは、市民を暴力から守るため、安全のため、国家に独占させた暴力装置である――。近代社会に根強い考えだ。 だが最近、この“常識”は「倒錯…

柳家小三治独演会

柳家小三治独演会1 唐獅子牡丹 柳家はん治 2 時そば 柳家小三治 (中入り) 3 禁酒番屋 柳家小三治(12月4日 仙台電力ホール) 前半を聴きながら、小三治も歳を取ったのかなあ・・・なんて思っていましたが、後半は、落語の下世話な内容に大盛り上がり。 …

ギレリスのCD・その2

このCDはビルトゥオーゾ的な曲がつまっている。そんな感じ。 中では、メトネルが叙情的でちょっと素敵だった。 GREAT PIANISTS OF THE 20TH CENTURY エミール・ギレリス(2)《20世紀の偉大なるピアニストたち》 1 ストラヴィンスキー ペトルーシュカ(ピア…

細川俊夫作品集3

細川俊夫の作品集のCDの3枚目は、邦楽器のための作品が2曲。 「観想の種子」の方は、(解説によると)声明の旋律や武満徹の「秋庭歌」の旋律からの引用の、再構成といった作品らしい。 「断章」の方はいつもの細川俊夫流。 観想の種子 細川俊夫作品集 音宇…

高倉健の床屋

数年前、NHKの番組で高倉健を取り上げていて見ていたら、高倉健は、毎日同じ床屋さんに通い続けているのだそうだ。毎日何時間かそこで過ごすのだそう。そこには高倉健専用の部屋もあるとのこと。 その床屋さんの内装が、ちょっと古いけどオシャレな感じで…

ギレリスのCD

エミール・ギレリスのCD。 ギレリスの演奏はドラマチック、劇的。クレメンティなんかでもドラマチック。 それも、どちらかというと悲劇の方。音に悲しみが混じっている。 好きです。 GREAT PIANISTS OF THE 20TH CENTURY エミール・ギレリス(3)《20世紀の…